校正サービス
気体流量計のJCSS校正サービスのご案内
1. JCSS制度の概要
JCSS(Japan Calibration Service System)とは、計量法第8章に基づいて設立された「計量法校正事業者登録制度」の略称です。1993年に設立され、計量のトレーサビリティを確保するための仕組みとして機能しています。独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が、計量法およびISO/IEC 17025の要求事項に適合していることを審査・認定します。
この認定を受けた事業者は校正業務を実施し、「JCSS認定シンボル付校正証明書」を発行することが可能です。この証明書は国際MRA(Mutual Recognition Arrangement:相互承認協定)に対応しており、校正結果が国家計量標準(特定標準器)にトレーサブルであることを証明します。そのため、証明書は国際的にも通用し、幅広く信頼されています。
2. JCSS校正サービスの説明
当社では、各種気体用流量計の校正を行い、「JCSS認定シンボル付校正証明書」を発行するサービスを提供しています。このサービスを品質管理に利用することで、測定値の信頼性を長期的に確保することが可能です。
・校正の重要性
気体流量計は、使用条件や環境の影響によって性能が経年変化します。商取引や効率計算、省エネルギーの評価などにおいて信頼できる測定値を得るためには、定期的な校正による管理が不可欠です。
また、ISO/IEC 17025はISO 9001と整合性があるため、品質管理の観点からも有効です。さらに、自動車産業向けマネジメントシステム規格(IATF16949)では、外部試験所が発行する校正証明書に国家認定機関のマークが含まれていることが要求されています。このような背景から、JCSS認定証明書は信頼性を確保するために非常に有効です。
・国際MRA対応
JCSS認定シンボル付校正証明書は、ILAC(国際試験所認定協力機構)およびAPAC(アジア太平洋認定協力機構)のMRAを通じて国際的に受け入れられます。この仕組みにより、各国で異なる校正や試験データによる貿易障壁を排除し、国際的な信頼性を確保します。
・校正証明書に記載される要素
校正証明書には、計量トレーサビリティに求められる以下の「6つの要素」のうち5つ(①~⑤)が記載されています。これにより、トレーサビリティの証明として機能します。
①国家計量標準への切れ目のない校正の連鎖 ②文書化された測定の不確かさ ③文書化された測定手順 ④認定された技術能力
⑤国際単位(SI)へのトレーサビリティ ⑥校正周期(※「校正周期」は別途管理が必要です。)
3. 校正サービスセンターの運営状況
当社の校正サービスセンター(登録番号:JCSS0134)は、2025年6月30日をもってサービス受付を停止し、校正業務を終了いたします。一方、アズビル金門エナジープロダクツ株式会社白河工場校正課における校正サービスは継続いたします。
ただし、設備改修のため、サービスを一時中断させていただきます。
校正サービスの再開は2026年1月を予定しております。変更あり次第ご案内させていただきます。